2011年07月20日
7月17日第93回全国高等学校野球選手権佐賀大会
第93回全国高等学校野球選手権佐賀大会 第8日(7/17)の試合結果
佐賀大会8日目の17日、みどりの森県営球場で3回戦の計2試合があった。昨夏のベスト8の厳木と、夏の公式戦初勝利をあげた早稲田佐賀の戦いは、厳木が打撃で圧倒。昨秋と今春の九州地区佐賀大会4強の佐賀工と、シード校の塩田工を倒して勝ち上がった佐賀農の戦いは、佐賀工が実力を発揮する展開になった。今夏の8強が全て出そろった。いよいよ頂点が見えてきた
【3回戦】 17日 みどりの森県営①
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
厳木 1 0 1 0 4 0 4 10
早稲田佐賀 0 0 0 0 0 0 0 0
(七回コールド)
厳木:川杉-田中
早稲田佐賀:中原、黒岩-加茂
【三塁打】田中、貝川(厳)

(厳木10―0早稲田佐賀 7回コールド)
5回、2死満塁で回ってきた厳木の4番田中雄大捕手(3年)の打席。初球、真ん中に入ったカーブを見逃さなかった。振り抜いた打球は中堅手の頭を越えて、走者3人がホームにかえる。田中は三塁ベース上で拳をつきあげた。
6月のNHK杯で初戦敗退。チームの奮起を促そうと考えた山口英樹監督は「主将のおまえが成長しないとチームは勝てない」と、一球への執着心と精神力を鍛えるために1週間、毎日約2時間に及ぶノックを田中に課した。「ホームを守るのは自分」と大黒柱のプライドで厳しい練習を乗り越えた田中は、体を張った守備で今大会の捕逸「0」。
試合では好リードも見せた。初回、1死満塁のピンチ。制球が安定しないエース川杉将司投手(3年)に対し、ホームベース上からミットをたたきながら「やるぞ!」とげきを飛ばす。普段は直球で押す川杉の投球スタイルだが、「調子が悪いなりに、打たせてとろう」と変化球を低めに集める配球に切り替えた。
横目でリードの大きい一塁走者の位置を確認。「アウトに出来る」と本塁からの牽制(けんせい)で走者を刺す。川杉も「気持ちが楽になった」と後続を打ち取り、試合の流れを引き戻した。
試合後、山口監督は「田中は自分の右腕。彼ができなければ僕の責任」と信頼を寄せた。田中は「いつも通りの野球をすれば、自分たちは最後まで勝てると思っている」。練習量に裏付けられた自信を胸に成長した主将は、頂点を目指す。(堀江昌史)
(17日、厳木10―0早稲田佐賀)
大量リードを追いかける早稲田佐賀の門田純中堅手(2年)は、全打席出塁でチームを勇気づけた。
昨春に創部した野球部に「新しい歴史を作ろう」と中学時代からのチームメート中原諒太投手(2年)と入部。ともに寮生活を送りながら練習に打ち込んだ。今春、初めての後輩が入部。「新入生が入ったことが刺激になり、一つ一つの練習の質が上がった」
1点を追いかける2回。先頭打者の門田の内野ゴロが相手の失策を誘い出塁。1死一、三塁の同点機に、ベンチからはスクイズのサイン。「同点に追いつこう」と三塁走者の門田は本塁へ駆け込むが投前に転がった打球は捕手に送られ、生還を阻まれた。
再び先頭打者で打席が回った4回にも「コンパクトに振って後ろにつなごう」と左前安打を放つ。この日チーム唯一の全打席出塁でチャンスを作った。
石井智久監督は「練習から気迫が感じられたので、期待して打順を上げた。大会では、先輩の2年生が力を発揮してくれた」。2年目の夏を引っ張った門田は「この1年間で成長したが、まだ甲子園に出場できるまで力が足りてない」。(甲斐弘史)
【3回戦】 17日 みどりの森県営②
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
佐賀工 1 0 5 0 0 2 0 8
佐賀農 0 0 0 0 0 1 0 1
(七回コールド)
佐賀工:平川、香田、白武-重松
佐賀農:溝口、北村、古川-大串、樋口
【三塁打】平川(工)
【二塁打】平野(工)井上(農)
好調佐賀工、全員野球で勢いを加速させ三回戦を突破
昨秋、今春とベスト4にはいった佐賀工が”全員野球”で佐賀農を下し8強進出を決めた。
佐賀工は初回、一死三塁から三番白武のスクイズで先制。5回には、四番重松郁哉のレフト前を皮切りに、平川裕貴がライトフェンス際まで運ぶ三塁打放つなど打者一巡で5点を奪い試合の主導権を握った。六回にも二点を追加し、七回コールドで完勝した。先発平川裕貴は、ストレート、カーブのキレともに冴え、三者連続三振を奪うなど好投。香田隼人、白武泰士とつなぎ佐賀農打線に連打を許さなかった。
一方、佐賀農は先発溝口涼亮が序盤につかまり、打線も佐賀工先発平川の前に抑えられ追い上げることが出来なかった。
風がふいてきた
「全然ダメだった」と吉丸信監督は大差がついた試合にも納得がいかないといった表情を浮かべた。
..序盤に、盗塁、スクイズと機動力と小技を生かした佐賀工らしい攻めをみせた。だが指揮官は、二回のヒットエンドランの失敗、7回に出た送球エラーなどミスが続いた点を挙げ、勝利にも反省ばかりが口をついた。
その理由は、取れるアウトは確実にとり、走者を確実に進める”佐賀工がらしい野球”ができなかったことからである。対戦相手の佐賀農は、二回戦で春優勝の塩田工を倒し勢いがある。戦力では佐賀工が一歩も二歩もリードしているが、細かいミスはそのまま負けにつながると考えていた。またこの試合、序盤に大勢が決まったこともあり、ベンチ入り選手20名全員を使った。部員数94名と県内一を誇る同校、その代表としてベンチ入りしていることを選手全員に伝えるためでもあった。が、途中出場した選手たちのミスが続き、その意図が伝わらなかったことも冒頭の言葉につながった。
ただ先発した平川裕貴の好投には「安心した」と目尻を下げた。
初回から三者連続三振を奪うなど、ストレート、縦に落ちる左投手特有のカーブともに、キレをみせ5イニングを1安打1四球と完璧なピッチング。
三月の春季大会後、ヒジを痛め二ヶ月ノースローが続いた実戦不足の不安を払拭した。
「ミスをしっかり反省して次に生かしたい」と話す吉丸監督だが、二回戦では、右の石丸将和が伊万里を一安打完封し、打線もつながり10得点。この日も平川が好投し、同じく8得点とチーム状態は良い。
「風が吹いてきた。何とか風にのっていきたい」。この好調なチーム状態に佐賀東監督時代に甲子園を決めたチームの時と同なじような手応えを感じている。
一方、シードの塩田工を破り10年ぶりとなる三回戦に進出した佐賀農。「序盤、注意していた平川君のカーブの見極めができず、押さえ込まれたことが大きかった。塩田工に勝った自信が、大差にも最後まであきらめず声をだし、1点をとってくれた」と選手を称えた永渕尚弘監督。
左右の二枚看板がともに結果を出し、打線も好調の佐賀工。
風にのって一気に頂点までかけあがるつもりだ。

佐賀工―佐賀農 5回表佐賀工無死一塁、一塁走者水田が二塁へ盗塁に成功。遊撃手座木
(17日、佐賀工8―1佐賀農) 佐賀工打線が持ち味の積極的な走塁で大量得点を呼び込んだ。
チーム1の俊足・1番水田が初回に四球で出塁。「普段から塁に出たら次の塁を狙えと監督に言われている。自分の仕事ができる」とすかさず二盗。犠打で三塁に進み、スクイズを狙ったバントが野選を誘う間に生還。無死一塁からわずか4球で先制点を演出した。
3回にも足でたたみ掛ける。左前安打で出塁した4番重松が初球でスタートを切り二塁へ。一、三塁の場面では冷静な状況判断も光った。三塁走者平野は、一二塁間で走者が挟まれる隙を狙い、一気に生還。「練習で常に想定していた場面だったので、自信を持ってスタートを切れた」
2死一塁から代走に送られた山田、適時打を放った9番田中も、相手バッテリーが警戒する中で相次いで盗塁を成功させ、この回計4盗塁で相手守備陣ををかき回した。
吉丸信監督は「とにかく早い回で点がほしかった」。自慢の「足攻」で昨夏逃した8強入りを果たした。(甲斐弘史)
佐賀大会8日目の17日、みどりの森県営球場で3回戦の計2試合があった。昨夏のベスト8の厳木と、夏の公式戦初勝利をあげた早稲田佐賀の戦いは、厳木が打撃で圧倒。昨秋と今春の九州地区佐賀大会4強の佐賀工と、シード校の塩田工を倒して勝ち上がった佐賀農の戦いは、佐賀工が実力を発揮する展開になった。今夏の8強が全て出そろった。いよいよ頂点が見えてきた
【3回戦】 17日 みどりの森県営①
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
厳木 1 0 1 0 4 0 4 10
早稲田佐賀 0 0 0 0 0 0 0 0
(七回コールド)
厳木:川杉-田中
早稲田佐賀:中原、黒岩-加茂
【三塁打】田中、貝川(厳)

(厳木10―0早稲田佐賀 7回コールド)
5回、2死満塁で回ってきた厳木の4番田中雄大捕手(3年)の打席。初球、真ん中に入ったカーブを見逃さなかった。振り抜いた打球は中堅手の頭を越えて、走者3人がホームにかえる。田中は三塁ベース上で拳をつきあげた。
6月のNHK杯で初戦敗退。チームの奮起を促そうと考えた山口英樹監督は「主将のおまえが成長しないとチームは勝てない」と、一球への執着心と精神力を鍛えるために1週間、毎日約2時間に及ぶノックを田中に課した。「ホームを守るのは自分」と大黒柱のプライドで厳しい練習を乗り越えた田中は、体を張った守備で今大会の捕逸「0」。
試合では好リードも見せた。初回、1死満塁のピンチ。制球が安定しないエース川杉将司投手(3年)に対し、ホームベース上からミットをたたきながら「やるぞ!」とげきを飛ばす。普段は直球で押す川杉の投球スタイルだが、「調子が悪いなりに、打たせてとろう」と変化球を低めに集める配球に切り替えた。
横目でリードの大きい一塁走者の位置を確認。「アウトに出来る」と本塁からの牽制(けんせい)で走者を刺す。川杉も「気持ちが楽になった」と後続を打ち取り、試合の流れを引き戻した。
試合後、山口監督は「田中は自分の右腕。彼ができなければ僕の責任」と信頼を寄せた。田中は「いつも通りの野球をすれば、自分たちは最後まで勝てると思っている」。練習量に裏付けられた自信を胸に成長した主将は、頂点を目指す。(堀江昌史)

大量リードを追いかける早稲田佐賀の門田純中堅手(2年)は、全打席出塁でチームを勇気づけた。
昨春に創部した野球部に「新しい歴史を作ろう」と中学時代からのチームメート中原諒太投手(2年)と入部。ともに寮生活を送りながら練習に打ち込んだ。今春、初めての後輩が入部。「新入生が入ったことが刺激になり、一つ一つの練習の質が上がった」
1点を追いかける2回。先頭打者の門田の内野ゴロが相手の失策を誘い出塁。1死一、三塁の同点機に、ベンチからはスクイズのサイン。「同点に追いつこう」と三塁走者の門田は本塁へ駆け込むが投前に転がった打球は捕手に送られ、生還を阻まれた。
再び先頭打者で打席が回った4回にも「コンパクトに振って後ろにつなごう」と左前安打を放つ。この日チーム唯一の全打席出塁でチャンスを作った。
石井智久監督は「練習から気迫が感じられたので、期待して打順を上げた。大会では、先輩の2年生が力を発揮してくれた」。2年目の夏を引っ張った門田は「この1年間で成長したが、まだ甲子園に出場できるまで力が足りてない」。(甲斐弘史)
【3回戦】 17日 みどりの森県営②
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 計
佐賀工 1 0 5 0 0 2 0 8
佐賀農 0 0 0 0 0 1 0 1
(七回コールド)
佐賀工:平川、香田、白武-重松
佐賀農:溝口、北村、古川-大串、樋口
【三塁打】平川(工)
【二塁打】平野(工)井上(農)

昨秋、今春とベスト4にはいった佐賀工が”全員野球”で佐賀農を下し8強進出を決めた。
佐賀工は初回、一死三塁から三番白武のスクイズで先制。5回には、四番重松郁哉のレフト前を皮切りに、平川裕貴がライトフェンス際まで運ぶ三塁打放つなど打者一巡で5点を奪い試合の主導権を握った。六回にも二点を追加し、七回コールドで完勝した。先発平川裕貴は、ストレート、カーブのキレともに冴え、三者連続三振を奪うなど好投。香田隼人、白武泰士とつなぎ佐賀農打線に連打を許さなかった。
一方、佐賀農は先発溝口涼亮が序盤につかまり、打線も佐賀工先発平川の前に抑えられ追い上げることが出来なかった。
風がふいてきた
「全然ダメだった」と吉丸信監督は大差がついた試合にも納得がいかないといった表情を浮かべた。
..序盤に、盗塁、スクイズと機動力と小技を生かした佐賀工らしい攻めをみせた。だが指揮官は、二回のヒットエンドランの失敗、7回に出た送球エラーなどミスが続いた点を挙げ、勝利にも反省ばかりが口をついた。
その理由は、取れるアウトは確実にとり、走者を確実に進める”佐賀工がらしい野球”ができなかったことからである。対戦相手の佐賀農は、二回戦で春優勝の塩田工を倒し勢いがある。戦力では佐賀工が一歩も二歩もリードしているが、細かいミスはそのまま負けにつながると考えていた。またこの試合、序盤に大勢が決まったこともあり、ベンチ入り選手20名全員を使った。部員数94名と県内一を誇る同校、その代表としてベンチ入りしていることを選手全員に伝えるためでもあった。が、途中出場した選手たちのミスが続き、その意図が伝わらなかったことも冒頭の言葉につながった。
ただ先発した平川裕貴の好投には「安心した」と目尻を下げた。
初回から三者連続三振を奪うなど、ストレート、縦に落ちる左投手特有のカーブともに、キレをみせ5イニングを1安打1四球と完璧なピッチング。
三月の春季大会後、ヒジを痛め二ヶ月ノースローが続いた実戦不足の不安を払拭した。
「ミスをしっかり反省して次に生かしたい」と話す吉丸監督だが、二回戦では、右の石丸将和が伊万里を一安打完封し、打線もつながり10得点。この日も平川が好投し、同じく8得点とチーム状態は良い。
「風が吹いてきた。何とか風にのっていきたい」。この好調なチーム状態に佐賀東監督時代に甲子園を決めたチームの時と同なじような手応えを感じている。
一方、シードの塩田工を破り10年ぶりとなる三回戦に進出した佐賀農。「序盤、注意していた平川君のカーブの見極めができず、押さえ込まれたことが大きかった。塩田工に勝った自信が、大差にも最後まであきらめず声をだし、1点をとってくれた」と選手を称えた永渕尚弘監督。
左右の二枚看板がともに結果を出し、打線も好調の佐賀工。
風にのって一気に頂点までかけあがるつもりだ。

佐賀工―佐賀農 5回表佐賀工無死一塁、一塁走者水田が二塁へ盗塁に成功。遊撃手座木
(17日、佐賀工8―1佐賀農) 佐賀工打線が持ち味の積極的な走塁で大量得点を呼び込んだ。
チーム1の俊足・1番水田が初回に四球で出塁。「普段から塁に出たら次の塁を狙えと監督に言われている。自分の仕事ができる」とすかさず二盗。犠打で三塁に進み、スクイズを狙ったバントが野選を誘う間に生還。無死一塁からわずか4球で先制点を演出した。
3回にも足でたたみ掛ける。左前安打で出塁した4番重松が初球でスタートを切り二塁へ。一、三塁の場面では冷静な状況判断も光った。三塁走者平野は、一二塁間で走者が挟まれる隙を狙い、一気に生還。「練習で常に想定していた場面だったので、自信を持ってスタートを切れた」
2死一塁から代走に送られた山田、適時打を放った9番田中も、相手バッテリーが警戒する中で相次いで盗塁を成功させ、この回計4盗塁で相手守備陣ををかき回した。
吉丸信監督は「とにかく早い回で点がほしかった」。自慢の「足攻」で昨夏逃した8強入りを果たした。(甲斐弘史)
7月20日第93回全国高等学校野球選手権佐賀大会
7月16日第93回全国高等学校野球選手権佐賀大会
7月15日第93回全国高等学校野球選手権佐賀大会
7月14日第93回全国高校野球選手権佐賀大会
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7月16日第93回全国高等学校野球選手権佐賀大会
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Posted by m-kotu at 19:43│Comments(0)
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